最期の日までにできること

義父が入院した。

ちょうど1年程前に、首にこぶのようなものができ
調べてもらったらガンだった。
さらに中咽頭にもガンがみつかった。
でも手術でどちらも切除する事ができ
今年の3月には元気に退院してきていた。

以前の入院時は、私が妊娠中だった為か
主人は、あまり詳しい事を説明せずにいてくれたようで
首にできたこぶは、単純に甲状腺の腫れで、中咽頭のガンは
レベル2程度やから、どちらも取ってしまえば大丈夫。
そう聞いていた。

ガンの症状については5段階(レベル)で表される。
レベル1~2は正常、レベル3は正常と異常の境界
レベル4~5が異常、すなわちガンということになる。
「レベル」と「ステージ」で、また違うらしいけれど
主人からは「レベル」でしか聞いていない。


今回の再入院で、改めて聞いてみると
こぶは6cmサイズのガンだったらしく
それが、レベル4に近い3の状態だったらしい。

そこまで成長すると、本来なら切除は難しいのだとか。
でも検査の結果、切除できると判断されて、手術してもらえた。

でも、抗がん剤投与や、放射線治療はやはり辛いものらしく
ましてや喉の手術という事で、うまく話せないし
飲み物や食べ物を飲み込む作業もうまくいかない。

そして、そんな義父のイライラは、義母に向けられていた。

義父は、手術も入院も懲りている。
きっと義母だって同じ気持ちでいると思う。

なのに・・・
無事に退院してきてくれて、ホッとしたのも束の間。
先月の事。
息切れがひどく、すぐに疲れて座り込んでしまうから
病院に行ってきたと義母から連絡が入った。
そして検査をしてもらったら、ガンは肺に転移していた。

ガン細胞から出る水が肺にたまっていて
それが息切れの原因らしい。
せめて、その水だけでも抜いてもらえないのかと聞いたら
抜く事はできるけれど、ガン細胞を含んでいるので
万が一漏れてしまったら、さらにガン細胞が体中に
広がってしまう為、難しいらしい。

そして、改めて私が知った事実。
首に6cmサイズのこぶができていた時点で
ほぼ手遅れだったのだ。
ガン細胞が血管やリンパ節に癒着し
手術で綺麗に切除および洗浄をしてはもらったものの
こぶが大きくて、中でガンが破裂していて
すでにガン細胞が流れ出ていたのだとか。

その流れ出たガン細胞が、体のどこにくっついて
どこで発症するかは、お医者様にもわからない。

・・・再発するのは、ほぼ確実だったということ。

ほんのちょっとの間に、大きく膨らんだこぶ。
それまで、ほぼ2週間おきには、議両親と会っていたのに
全然、気付かなかった。
自覚症状もなかった。
じっくり鏡をみて、身だしなみを整えるような義父ではない。
気付いた時には、もう大きく成長してしまっていたのだ。

そして、肺への転移がわかって
義父につきつけられた事実は、とても酷なもの。
余命1年。
治療を受けず、自宅で療養するか
ひとまず入院をして、延命的な治療を受けるか
そんな選択しかなかった。
最終的には、ホスピスに入る事も。

義父は最初、入院はしたくないと言っていたけれど
お医者様の説明を聞いて、何か考えが変わったのか
入院して、治療を受ける事を選択した。

義父には、孫が6人・ひ孫が2人もいるのだから
そりゃぁ頑張ってもらわなくては困る。

義母も、孫たちの事を考えて、前向きに頑張ってくれると
いいけど、人には厳しく、自分には甘い人だから
どうかなぁ・・・と言っていた。

義父には、できるだけリーダーとセオに会わせてあげたい。
でも、病院というところは、いろんな菌が集まってくる。
さらに、こちらからも持ちこんでしまう可能性もある。
大部屋の場合、他の患者さんの迷惑にもなる。

以前の入院の時にも、同じことで悩んだ。
リーダーを病院に出入りさせる事。
妊娠で、抵抗力が落ちている私自身が出入りする事。

でも、義父を励ましたい一心で、毎週のように病院に行った。

今年の初め、実母と喧嘩をした原因のひとつに、この事があった。
妊婦なんだから、病院へ行くのは控えろと言われた。
いい嫁になろうと思っているのかと。

もちろん、私を心配して言ってくれているのはわかっていたし
他にもイライラがつのる原因があって
出てしまった言葉だと言う事も、よーくわかっていた。

でももし、逆の立場で、主人が義母に同じ事を言われていたら
私は、すごく悲しくなるだろうと思った。
ましてや、いい嫁を演じるために病院へ行っていたのではない。
ただ単純に、義父が心配で、様子が見たかったから。
自分の親に置き換えてみたら、その心配はもっと大きいだろうと。

でも、冷静に考えてみると
抵抗力の弱い子供や妊婦が、病院に頻繁に出入りするのは
本当によくない事。

自分達がもらう菌もあれば、うつす菌を持っている可能性もある。

今回の入院で、リーダーとセオをどこまで病院に行かせるか。
改めて悩む事になった。

主治医の先生によると、1年持たないかもしれないという話。
そうなると、もう顔を合わせられる時間は残り少ない。

主人に相談してみたけれど
もう、病気をうつす事は考えても仕方がない。
うつってしまう可能性だけを、考えなくてはいけないけれど
もし本当に1年以内だとしたら、週末に会いに行ったとしても
50数回しか、会えないのだと。
ならば、なるべく孫と会わせてやりたいと。

父の死を待つだけとなっている、辛い立場の主人の想い。

危険なものから、なるべく子供を守りたいと想う私。
でも、自分の親だったら?
私はやっぱり義父とは他人だから、気持ちが冷めている?
でも、子供の事を守れるのは私たちしかいない。

どうすればいいのかわからない。

自宅療養や、ホスピスなら、いくらでも孫に会わせてやれる。
でも、入院して延命治療を受ける事を選択した義父の
その決意も認めてあげたいし、励ましてあげたい。

どうしてあげるのが、一番いいのだろう。。。
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by hagumi-biyori | 2010-10-04 11:13 | hagu日和